聖餐式は、キリスト教会の礼拝で、イエス・キリストを記念したパンとぶどう酒*1を受けることです。聖餐式はクリスチャン(イエス・キリストを救い主と信じ、その信仰を告白して洗礼を受けた人)だけに許されています。

   これは、イエス・キリストが十字架にかかられる前夜、弟子達と共に食事をされたことに由来します(これを「最後の晩餐」、「主の晩餐」という)。

   その時、主は弟子達にパンを裂き与えて「これは、あなたがたのために与える、わたしのからだです。わたしを覚えてこれをおこないなさい」と命じ、さらに「この杯は、あなたがたのために流されるわたしの血による新しい契約です」と約束されました。
   パンが裂かれたのは、イエス・キリストのお体が十字架で裂かれたことを記念し、ぶどう酒が分かたれるのは、罪の赦しの為に流された血潮を記念します。これが繰り返し行われるのは、イエス・キリストの贖罪のできごとを決して忘れないためです。

   私達は聖餐を受ける度に、イエス・キリストのいのちによって養われ、きよめられ、生かされていることを確認します。パンが肉体の糧であるように、イエス・キリストは私達の霊的生命の糧です。
   また、キリストのからだをいただくことで、聖霊によってキリストと一つにされることを確信し、慰められます。そして、すべてのキリスト者は一ついのちに生かされている事を思い起こします。ここでは、地上のあらゆる区別差別の隔てが取り除けられています。

   聖餐式によって、「私たちを生かして下さるのはイエス・キリストです」との感謝の告白もあります。英語では、聖餐式をユーカリストと言います。これは、ユーカリステオー(感謝する)というギリシャ語派生です。

   最後に、聖餐式を記念し続ける事によって、イエス・キリストがこの世界の為に死んでよみがえられたことを宣言し続けています。
   イエス様は「私の肉を食べ、私の血を飲む者は、永遠のいのちを持っています。私は終わりの日にその人をよみがえらせます私の肉はまことの食物、私の血はまことの飲み物だからです」(ヨハネ6:54ー54)と言われましたので、「キリスト者は人間の肉を食べる」というとんでもない誤解が生じたこともあったようです。私達にとって、パンもぶどう酒も象徴ですが、かけがえのない神の恵みを偲ばせていただきます。

*1 私達の教会ではグレープジュースを用いています。